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納骨堂を選ぶコツからペットのお墓まで

そもそも「廟」とは何か?<前編>

いわゆる納骨堂には「○○御廟」や「○○霊廟」などというように、「廟」という言葉がしばしば使われます。では、その「廟」って、そもそも何なんでしょう。
辞書などを開くと、「死者を祀る宗教施設。特に各親族集団において祖先を祀るものをいう(仏壇など)。霊廟。祖廟」のこと。もう少し詳しく説明してみましょう。

まず、我が国の「廟」から。日本では、特定な人物を祀る建物を、霊廟(れいびょう)、廟(びょう)、または霊屋(たまや)、御霊屋(みたまや・おたまや)といい、大きく、神式霊廟、仏式霊廟、儒式霊廟などに分けられている。また、各地の中華街には関帝廟が存在する。神道の方式に則って造られた場合、主に通常の神社と大差ない方式で祀られている。「延喜式神名帳」に「大帯姫廟神社」(現・宇佐神宮本社の一つ)とあるが、一方では「神名帳」にないが延喜式の式部寮の項に「橿日廟」(現・香椎宮)とあり、神社と区別されている例もあったらしい。有名なものでは豊国神社や日光東照宮がある。江戸時代に創建された各藩の藩祖を祀る神社や明治以降に創建された別格官幣社などもそうした「廟」に連なるものと考えてよいだろう。


また、近代に入ると、戦死者などを祀る靖国神社、殉職警察官、消防士などを祀る弥生神社(現・弥生堂)、航空事故犠牲者を祀る飛行神社など、集合的に慰霊を目的として祀る例も多い。上記の例を見ても分かるように、政治権力や政策と結びつくことも多い。天満宮も菅原道真を祀るので廟には違いないが、天神としての神を祀っているという認識の方が一般的である。他方では、仏式では、主に宗祖や有力檀家(将軍家・藩主等)などが寺院に付随して祀られていることが多い。有名なものでは伊達政宗を祀る瑞鳳殿、天海を祀る慈眼堂などがある。


彼方、大陸における廟としては、祖先の霊を祀る場であるが、墓所は別に存在する。その為、仏教における仏壇のような位置づけであるが、仏壇とは違い母屋の中には無く、霊廟専用の別棟があった。祖先を篤く敬う中国では、古代から家中で最も重要な場所とされていた。また、孔子を祀る廟や関羽を祀る廟が各地に多数存在するように、祖先の霊だけではなく、民衆が敬愛する対象の廟を建立して祀っている事もある。孔子などを祀る廟が学問所などに存在する。有名なものとしては、世界遺産一部として知られる孔廟、東京の昌平坂学問所に付属した湯島聖堂がある。これらの他にも、各地に、城隍神を祀る城隍廟や、関羽を祀る関帝廟などが存在する。横浜の中華街のものなどは観光スポットとしても有名であることはご存知の方も少なくないであろう。

   <後編に続く>

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