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お墓博士に教わる、ペットの供養

伝統的な"動物のお弔い"の習俗<前編>

最近、手塚治虫 原作の「ブッタ」がアニメ映画化されました。何でも3部作のうちの第1作目だとのことですが、う~ん.........本当にあと2作も続くのでしょうか?。まぁ、このコラムは映画批評のコーナーではありませんから、これ以上のお話はやめておきましょう。

ブッタというのは、言わずかもなお釈迦様のこと。お釈迦様がお亡くなりになられた際(いわゆる"入滅"ですね)、弟子たちをはじめ、動物たちがそれを見守っている仏画に「涅槃図」というものがあります。そこには様々な動物達が、描き込まれていますが、今の私たちにとって、身近な動物-猫-が抜け落ちています。
何故なのでしょう?。


ごく一般的に伝えられている話に拠れば、「釈迦」の入滅に際して、天界の「摩耶婦人」が霊薬を詰めた薬壺を鼠に持たせて下界に遣わせたが、途中その鼠を猫が捕まえてしまったために霊薬は「釈迦」の下に届かず、結果、その死を食い止めることが出来なかった。そのため、猫は「釈迦」の「涅槃図」に描かれていない.........と云うのが、その起源譚になります。
ただ、幾つかのお寺では-絵師が「涅槃図」を描こうとしたとき、その寺院で飼われていた「猫」がその絵師の脇に座って、涙を流していた。そこで絵師が、「何故、泣いている。お前も交ざりたいのか」と慮り、「涅槃図」の中に猫を描き入れたと云う-というようなエピソードと共に、猫が描き加えられている「涅槃図」を収蔵してる寺院もあるようです。

何故、様々な寺院に「猫涅槃図」が遺されているのか?。それは、もしかしたら元々、地元の「猫神」信仰と何らかの関わりがあったからではないかと考える向きもあります。そのことと平仄を合わせるように、そうした寺院には「猫」の墓なるものが建てられています。


もっとも、そうした寺院や、それ以外の場合であっても、「猫の墓」に限らず、様々な動物のお墓が、昔から、我が国におけるそれぞれの地方では、伝統的に行われてきた動物墓の習俗が認められております。たとえば、「犬猫」と双方のためものである。ただ、同じ習俗は「関東」から「福島」「宮城」県境の各地にも見られ、一般には「犬供養」「犬卒塔婆」として知られている。特に「関東」では、「犬」専用と云うイメージがあるため、この珍しい習俗を知っている人でさえ、「猫」の供養もまた同様に行う地方が、「北関東」から「東北南部」にかけて広く存在することに驚かれる場合も多いようです。

<後編に続く>

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