「永代供養墓」は墓地?納骨堂?<前編>
「永代供養墓」に対して、これまでのお墓に対する通念との乖離(ずれ)を感じる方が多いみたいです。例えば「墓地」は、墓埋法上で「墳墓(遺体を埋葬し、または焼骨を収蔵する施設)を設けるために、都道府県の知事等より許可を受けた区域」と定義され、「納骨堂」は「他人からの委託を受けて遺(焼)骨を収蔵する施設」として定義されています。では「永代供養墓」は「墳墓」か「納骨堂」のどちらなのか?どう考えればよいのでしょう.........?という質問を、一般の方々からだけではなく、お寺様や行政担当者からも尋ねられます。ここで少し考えてみることとしましょう。少しばかり、難しいこともお話しすることになってしまいますが、お許し下さい。
したがって、法人や団体が墓地、墓園内に施設を設け、そこに遺(焼)骨をおさめた場合には、その当該施設は「納骨堂」であり、墓地内に納骨堂が存在するということになってしまいます。もちろん、「他人からの委託」という点については、その解釈において微妙な部分が少なくありません。事実、墓地、墓園内にある法人や団体の施設については、特に注意を地方公兵団体もあるようです。これに加えて、慣習においても、一つの宗教法人や団体、もしくは血縁、地縁関係にあるものが、ひとつの墳墓(のような施設)において祭祀されている事例の報告は珍しいことではありません。しかし他方では、これを厳者に捉え、法人や団体と「墓」に関する使用間係については認めても、そこに焼費をおさめられたりすることがないよう、当該墓地や墓園の菅理者に対する指導をしている地方公共団体もあります。
次回は、これを墓地、墓園(や納骨堂)の管理、運営上の問題から捉えてみます。
まず目を引く違いとしては、「埋蔵」と「収蔵」になります。しかし、「埋蔵」と「収蔵」との間には、具体的に明確な違いは存在しておらず、結果、「墳墓」(墓地)か「納骨堂」であるのかの違いというのは、「他人からの委託を受けて」という点が、判断する上での大きなポイントとなると考えるべきでしょう。 しかし、「他人」という概念自体についても、墓埋法上では曖昧です。一般的に申せば、故人の血族、姻族に含まれない者を「他人」と考えるのが妥当でしよう(昭和44年7月7日環衛発9092号)。なぜなら、宗教法人が強固な宗教的な紐帯~信仰で結ばれた信者から委託を受けて遺(焼)骨をおさめる場合であっても、それが恒久的な菅理をする、恒久的な管理が想定される施設であるなら、「納骨堂」としての許可を得なくてはならないとされているからです(「昭和23年9月13日発衛9号」あるいは「昭和33年7月1日衛環発第56号」)。